⑤  未来のダンス

心のダンスそのもはというとSTYLE HIPHOP以来、ここ10年程めぼしい流れが生まれていないと思いますので正直停滞ぎみだと感じています。
KRUMPやFOOTWORK等正式にはヒップホップダンスでは無くとも、共に地域文化的背景を色濃く持つという点から同列に扱って良いと思いますがそれらも随分前ですし、下記の楽曲傾向にハマりの良いNAENAEやJERK等パーティーダンス的な性格の波(※HIPHOPダンス全般が複雑且つコマーシャルに寄り過ぎた反動で逆方向へ振れる周期的な流れだと思います)はありましたが、少なくとも国内ダンスシーンでの盛り上がりは今ひとつ。

大きな要因としてヒップホップミュージックそのものが肥大化していて、その分セールス的には随分いい様ですが他のダンスミュージックとの交配が進み、DUBSTEPなのかTRAPなのかHIPHOPなのかR&Bなのか曖昧、同じ様にジャズダンスと交配した事でビートに頼らずとも踊れてしまうSTYLE HIPHOPがハマり易い、という事情が考えられます。
但し近頃のSTYLE HIPHOPの傾向として、
動きを歌詞にハメにいく事が多いのですが(※これは当初からの特徴です)、その際JAZZダンス的なアクティング(演技)が要求される事、その為リリックを理解しないで振りを付けると酷く恥ずかしい様相なってしまう事、従ってアドリブで踊る事が困難と、やや敷居が高くなってしまっているのが現状です。

N.Y APOLLOシアター入口
元来HIPHOPダンスとはそれ単体で考える事は出来ず、音楽は無論ファッションともリンクする文化としての背骨が非常に重要だったりします。大抵のダンスは人様の作った音楽に乗っからせて頂くものですが、特にヒップホップダンスはその時々の流行、時代背景、時には政治的なもの迄、雑多な環境から刺激をもらって生まれて来た歴史に加え、例えOLD SCHOOLでも当時のままという事は無く、微細ながら時期ごとにその筋での流行に揉まれ変化・進化を繰り返していますので、長くダンスを続ける際にはその辺りを敏感に感じ取っていく事も大切です。

page-⑤
1 2 3 4 5 6